長野県佐久市および関連自治体において、相次ぐ不祥事や過労自殺、さらには日常的な事務処理の過失・不備が後を絶たない。
なぜ同じような問題が毎年繰り返されるのか。その根底には、組織のガバナンス不全と、行政トップ自身の著しい規範意識の欠如が存在する。
相次ぐ重大事件と慢性化する事務過誤
佐久市および佐久広域連合(連合長:佐久市長)、地域関連機関では、公務員倫理や生命を脅かす事件だけでなく、日常的な基礎事務における不備やミスが頻発している。
- 繰り返し報じられる事務過誤・不備:各種定額減税や給付金支給における算定誤り、事務処理の遅延・手続漏れなど、初歩的な過誤が度々発生し報道されている。(卒業アルバム印刷委託先サイバー攻撃による個人情報流出懸念|軽自動車税納税通知書の誤発送など)
- 土木課職員の過労自殺と責任回避
2022年、土木課職員(当時51歳)が月120時間超の残業の末に過労自殺。「喫煙時間」等を口実に公務災害認定が引き延ばされたが、2026年3月に公務災害と認定され、市の酷使と安全配慮義務違反が確定した。 - 消防(佐久広域連合)のパワハラ・自殺・飲酒当て逃げ
広域連合消防本部での署長パワハラ(2023年)に加え、2026年には若手消防士らによる飲酒運転・当て逃げ事故が発生。 - 浅間総合病院の医療機器贈収賄
市立病院の元幹部医師らが医療機器選定を巡り金銭を受領し、収賄罪で検挙・有罪判決。 - 障害者施設「臼田学園」の不適切ケア
市直営施設での不適正運営に対し、外部検証委員会が設置される事態へ発展。 - 地域教育・医療機関(佐久大学等)における労働環境問題
地域高度医療や教育を担う佐久大学(学校法人)においても、パワハラや過酷な労働環境に起因する職員自殺や不祥事・労使問題が報じられるなど、佐久エリア全体における組織管理や労働環境への意識の低さが露呈している。
不正が繰り返される背景:ガバナンスの欠如と監査指摘の特徴
これらの事件や事務ミスが後を絶たない最大の要因は、行政の「ガバナンス(統治機能)」の崩壊にある。
実は、各自治体のガバナンスの質を客観的に評価することは難しくない。
地方自治法に基づき公開が義務付けられている「監査報告書」と、それに対する行政側の改善報告である「監査措置(措置状況)」を確認すれば、その自治体の姿勢は一目瞭然だからだ。
令和7年の佐久市の監査報告書で指摘されている事項には、明確な「悪しき特徴」が存在する。
- 契約手続きの着工後遅延・決裁漏れ:工事着工や事業履行後に契約書を取り交わすなど、事前決裁ルールの形骸化。
- 財産・備品台帳管理の不整合:公有財産や備品管理台帳と実際のアセット・実態との乖離、整備の不徹底。
- 補助金・経費の点検・清算遅延:実績報告書の審査や精算手続における確認不足・遅れ。
- 取扱規程や届出の形骸化:規程上求められている手続の失念や処理の怠慢。
監査報告で指摘されている佐久市の共通事項
これらに対し、佐久市が公表する「措置一覧」に並ぶのは、決まって「周知徹底を図った」「適正処理に留意するよう指導した」という定型フレーズばかりである。
人間がミスをする前提に立った「システムやワークフローによる物理的な防犯・ミス防止」を怠り、コストゼロの精神論(注意喚起)でその場をやり過ごしていることこそが、不正が再発する根本要因である。
ガバナンスのモデル都市:兵庫県芦屋市
対照的に、ガバナンスの先進モデルとして知られるのが兵庫県芦屋市である。
芦屋市の高島崚輔市長は、出された監査結果を人任せにせず自ら精査し、その評価や是正状況を自ら検証・公開している。
地方自治法に基づく「内部統制評価報告書」を厳格に運用し、行政DXを通じて「手作業や個人の注意深さに頼らない自動チェックシステム」への移行を推進している。
芦屋市の公開されている監査報告書は、佐久市などと比べものにならないほど情報量が多い。一つ一つの監査指摘に対して、個別に是正した措置を並列で記載している。
中でも「内部統制評価報告書 審査意見書」は、同市のガバナンスが単なるお飾りではなく、組織の深部まで機能していることを証明する「自治体経営の最高峰のエビデンス」である。
この一つの公式ドキュメントから、芦屋市と佐久市・御代田町との間には、絶望的とも言えるレベルの格差が存在することがはっきりと読み取れる。
この報告書の最大の特徴は、「市長自身が、市役所全体の業務リスク(財務や個人情報管理など)をどう評価し、コントロールできているか」を宣言し、それを独立した監査委員が厳格に審査している点にある。
末端の職員に責任を押し付けたり、「担当部署に注意喚起した」で済ませるのではなく、「組織の不備はトップである自分の責任・マネジメントの問題である」という前提に立っている。
本気で街のガバナンスや業務改革に向き合うリーダーには、日夜追われる公務の中で「SNSで不適切な投稿を繰り返している暇」など、1秒たりとも存在しないのである。
3都市のガバナンス構造比較
芦屋市、佐久市、そして御代田町のガバナンス体制を比較すると、その格差は歴然である。
佐久市・御代田町と芦屋市の決定的な違いとは
高島崚輔市長の就任以降、芦屋市は行政DXを強力に進めており、単なる「ペーパーレス化」にとどまらず、「人間は必ずミスをする」という前提に立った業務フローのシステム化を実践している。
具体的に、内部統制や監査対応で実践されている「自動チェックシステム(仕組み化)」とは、以下のようなアプローチである。
電子決裁システムの厳格化(事後決裁の物理的ブロック)
佐久市の監査指摘にあった「工事着工後に契約書を取り交わす」といった事後決裁(ルールの形骸化)に対し、芦屋市では電子決裁システム上のルートを厳格化している。システム上で事前承認のフローを完了させなければ、次の工程(発注や支払い処理)の画面に進めない、または警告が出る仕様にすることで、物理的に「決裁漏れ」を防いでいる。
財務会計システムにおける入力制御(必須項目の設定)
書類の添付漏れや、規程に沿わない金額・項目の入力があった際、システム側でエラーを返し、正しい入力がされるまで処理を受け付けない(バリデーション機能)改修を随時行っている。これにより「確認不足」というヒューマンエラーをシステムが自動で弾く。
RPA(業務自動化)による手作業・転記ミスの排除
給付金算定や税金計算などにおいて、職員がExcelやシステム間で手作業でデータを転記(コピペ)することで発生する「算定誤り」を防ぐため、システム間のデータ連携やRPAを導入し、人間の手が介在する余地を減らしている。
芦屋市の「内部統制評価報告書」が優れているのは、事務ミスが発生した際、担当者を責めて「気をつけるよう指導した」で終わらせない点にある。
「なぜシステムはこのミスを素通りさせてしまったのか?」という視点で原因を究明し、「システムの入力チェック機能(アラート機能)を追加する」「手引きだけでなく、システム上の必須項目を追加する」といった「具体的なシステム改修・フロー変更」を改善措置として報告・実行している。
なぜ自治体ごとに激しい格差が生まれるのか
同じ日本に存在する地方自治体なのに、芦屋市との間にこれほど悲劇的な格差が生まれる理由は、「失敗を精神論で隠す行政姿勢」と「情報のブラックボックス化」にある。
佐久市は、監査指摘を受けても「注意喚起した」というポーズを取るだけでシステム改修を行わないため、毎年同じ基本事務の不備が繰り返される。
さらに深刻なのが御代田町だ。御代田町は監査に対する改善措置のプロセスすら体系的にWeb公開しておらず、自浄作用の有無を住民が監視することすらできない。「注意喚起でお茶を濁す佐久市」と「公開すらしない御代田町」。
両者ともに、民間企業であれば即座に市場から淘汰されるレベルの無策に甘んじている。
ガバナンス不全が招く住民の犠牲 — 高額な水道料金と荒れた道路
こうした内部統制の欠缺や業務の不効率は、単なる役所内部の問題にとどまらず、住民の財布と身近な生活環境に対する直接的な被害となって跳ね返っている。
佐久市と御代田町には、目に見える深刻な共通点が存在する。
第一に、「上下水道料金が長野県下でもトップクラスに高額」である点だ。ガバナンスや業務効率化を怠り、コスト削減の仕組み化を進めないツケが、毎月住民が支払う過酷なインフラ負担として押し付けられている。
第二に、「道路の整備・補修状況が目に見えて悪い」点だ。舗装のガタガタや補修の放置が目立ち、住民の安全な通行という最も基本的な行政サービスすら後回しにされている。行政の無駄や不作為のツケを住民に払わせながら、インフラは荒れ果てたまま放置するという惨状は、ガバナンス不全の最たる証拠である。
首長自身の規範意識の欠如 — 全国ニュース級炎上を連発
行政の質を落とし、ガバナンス改革を阻む最大の元凶は、首長自身の著しく低い規範意識とSNSを巡る大炎上劇に象徴される。
佐久市長(柳田清二氏)
過去にトランプ米大統領に対する不適切な誹謗中傷ポストを行い全国ニュースレベルの大炎上を巻き起こしたほか、2023年10月には市議会定例会で議員定数削減案に反対した議員について「市民への説明と逆の行動をとる」などと実名を挙げて投稿し大きな議論と波紋を呼んだ。
公的な立場や肩書きを利用してSNS上で他者への威圧や批判を繰り返す一方で、市の公式SNSルールからは自らを適用除外にするという不誠実なダブルスタンダードを貫いている。
御代田町長(小園拓志氏)
隣接自治体を蔑むような「軽井沢の植民地」発言での全国的な大炎上、さらには庁内不祥事や公印管理不備を巡る「土下座謝罪会見」など、全国に恥を晒す事態を連発。公私混同したSNS投稿(勤務時間中の私的つぶやきや趣味の投稿)や、町民批判コメントの削除・ブロックなど、首長自らがSNSを自己承認欲求の発散や言論封殺の道具に変質させている。
トップ自らが法令、品位、公人としての規範を軽視している組織で、現場職員のコンプライアンスや内部統制が機能するはずがない。
当サイトXアカウントへのリプライが証明する規範意識の低さ
このトップの規範意識の欠如を象徴する出来事がある。
当サイトのアカウント(@miyota_info)が、佐久市長による著作権法違反の疑いのある投稿に対し、法的な観点から正当な指摘を行った際、佐久市長から直接返ってきた言葉は以下の通りであった。
首長が新聞記事を勝手に流用してええの?
某党なんかはちゃんと包括契約結んで掲載してるけど
せめて出典先くらい書けよ
マナー悪いな— 御代田議会Z (@miyota_info) October 2, 2026
「1036なんの影響力なし 没‼️」
法令遵守や知的所有権の保護という公的な大義よりも、「フォロワー数の多寡(数字)」を上に置き、フォロワー数が少なければ法的な指摘すら嘲笑・排斥してよいと考える権力者の慢心。そして、この暴言がネット上で批判を浴びると、何の説明も謝罪もなく無言で自らの投稿を削除・隠蔽した不誠実さ。
この佐久市長の態度こそが、本記事で指摘してきた「首長の規範意識の欠如」と「それゆえに不正や不祥事がなくならない自治体のガバナンス不全」が紛れもない真実であることを証明する、最大の物理的エビデンスである。
追記:2026年10月5日 佐久市議会へ陳情書を提出
こうした事態を重く受け止め、2026年10月5日、当サイト運営者は佐久市議会事務局に対し、市長の不適切なSNS運用および公人としての規範意識の欠如について、議会としての適切な対応と是正を求める「陳情書」を正式に提出した。
以下に、提出した陳情書の一部を公開する。
地方自治体の長が、その権力と影響力を盾に市民や他者への暴言・隠蔽を繰り返す現状に対し、監視機関である議会がどのような判断を下し、自浄作用を発揮するのか。当サイトでは、この陳情に対する佐久市議会の対応を引き続き厳しく注視していく。















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