本来、行政における「貯蓄の増額」というのは、住民サービスを維持、あるいは向上させながら、無駄な費用を削減したり税収を増やす施策を実施した結果として実現して、はじめて「偉業」と呼べるものです。
最低限の住民サービスすらカットし、本来やるべきインフラ投資の支出を行わず、見せかけ上「貯金が増えた」と誇るなど、誰にでもできる単なる粉飾に過ぎません。
現在、御代田町の小園ひろし町長は、来年の町長選を見据えてか、自身のX(旧Twitter)で、決算書の数字を都合よく切り取り、「御代田町の財政は健全だ」と猛アピールしています。
毎年真っ先に目を通すのが基金総額の欄です。
H30 53億6800万円
R1 54億8900万円(+1億2100万円)
R2 54億6500万円(-2400万円)
R3 60億7700万円(+6億1200万円)
R4 63億8700万円(+3億1000万円)
R5 71億9600万円(+8億900万円)
R6 74億5100万円(+2億5500万円)
R7 70億6300万円(-3億8800万円) https://t.co/qbJztBAcuS— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) August 17, 2026
広報の校正をしていて、基金と起債の残高が示されていました。
基金残高
H30末 40億4500万円
↓
R4末 63億8300万円
↓
R7末 73億3000万円起債残高
H30末 116億2600万円
↓
R4末 88億9100万円
↓
R7末 89億5900万円大規模事業を進めながらも財政は健全です。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) May 15, 2026
町長は「貯金(基金)が増えている」と誇らしげに語ります。しかし、この言葉を鵜呑みにしてはいけません。この数字の裏には、町民の生活と未来を犠牲にした巧妙な「ごまかし」が隠されています。
「条例変更」による見せかけの貯金水増し
まず、なぜ急に貯金が増えたように見えるのでしょうか?実は令和4年に、小園町長主導で基金に関する条例制定が行われ、“禁じ手”まがいの錬金術が行われました。
将来の特定の目的(施設整備など)のために、本来用途を限定してコツコツ貯めていた「目的特定基金」のタグを強引に外し、使い道が比較的自由な一般財源(財政調整基金など)に組み替えることを正当化したのです。
具体的には、令和4年3月22日に制定された「御代田町社会資本整備基金の設置、管理及び処分に関する条例」(同年4月1日施行)などがその引き金となっています。
用途が限定されている目的特定基金を一般財源に移すことは、財政規律の観点から本来認められない不適切な手法です。しかし、この条例によって基金を強引に統合したことで、「私が町長になってからこんなに貯金(財政調整基金)が増えました!」と見栄えを良くしました。実質的なお金が増えたわけではなく、口座をまとめて額を大きく見せ、自身の政治実績としてアピールするための単なる「水増し」に過ぎません。
暴かれたカラクリ 「41億円」の整備を行わずにつくった貯金
百歩譲って、水増しされた数字だとしても、令和7年度の基金残高73.3億円に対し、借金(起債)残高は89.59億円もあり、純貯蓄額(現金・預金から借金を引いた額)で見れば実質マイナスです。
さらに致命的な「大ウソの証拠」があります。
令和4年3月に公開された「御代田町公共施設等総合管理計画(図表3-8)」を見ると、町のインフラ維持には単年平均で約13.7億円が必要なのに、実際はその4割の約5.43億円しか使っていません。
ここから恐ろしい事実が計算できます。
1年あたりの修繕不足額:約8.27億円
過去5年間の修繕サボり総額:約41億3,500万円
町長は「平成30年度から令和7年度で貯金が約32.85億円増えた!」と自慢しています。しかし、その正体は「過去5年間で104億円以上かかるはずだった公共建築物・道路や水道の修理を61億円しか支出せず、そのケチった41億3,500万円を手元に残して『貯金』と言い換えているだけ」なのです。
この約41億円は、本来住民が快適に暮らせるようにするためのインフラ整備に支出されていなければならないものです。
そして、耐用年数を迎えるインフラの大規模改修が迫れば、今の基金など一瞬で吹き飛ぶ「ただの預り金」です。
人件費の異常膨張で住民サービス予算は「実質ゼロ」
インフラを放置して貯金アピールをする一方で、住民サービス向上の首を絞めているのが「役場人件費の異常な高騰」です。
現在、御代田町の自力での税収はここ数年約25億円前後で頭打ちです。それにもかかわらず、役場の人件費は約17億円、借金返済(公債費)に約6億円がかかり、この2つだけで約23億円が消えていきます。
業務効率化を怠り、無計画に職員を増やし続けた結果、国からの交付金や補助金がなければ住民サービスに使えるお金は「1円もない」という危機的状況です。
ちなみに、令和8年当初予算での人件費は、18億1,558万7,000円と、また増加しています。
批判の証明:最低レベルの「住民サービス」
行政がインフラ整備を41億円もケチり、人件費を膨張させたツケは、どこに回ってくるのでしょうか?それはすべて、私たち「町民の負担」です。
- 下水道料金: 県平均より4割も高い異常な水準。
- 国民健康保険税: 県内最高額レベル。今後も赤字見込みでさらなる値上げが避けられない。
- ごみ収集の異常な不便さ: ゴミステーションは町内にわずか約20箇所。可燃ごみは週に1回しか出せず、車出しが必須という現代の自治体とは思えない低水準。
小園町政になってから、これら日々の生活に直結する住民サービスは全く向上していません。
見せかけの数字で得をするのは誰か?
「貯金が70億円ある」と聞けば安心するかもしれません。しかし、その貯金の実態は「41億円の水道管や道路の修理を先送りし」「法外な下水道料金や国保税を搾り取り」「ごみ捨ての苦労を町民に丸投げ」して作られたものです。
いくら役場の貯金が多くても、住民サービスが最低レベルであれば、町民にとっては「何の意味もない」のです。
不都合なインフラの巨大なツケや町民の負担を隠し、SNSで「貯金が増えた!財政は健全だ!」と見栄えの良い数字を並べて喜んでいるのは誰でしょうか?
その「見せかけの数字」でメリットを得るのは、自身の政治評価を上げたい町長ただ一人です。私たちはこれ以上、稚拙なデタラメに騙されてはいけません。






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