概要は動画で
繰り返し示された「見守り強化」は、実際に機能していたのか
長野県御代田町の町立御代田南小学校で発生したいじめ重大事態について、町教育委員会が第三者委員会を設置した本件では、児童間の加害行為だけでなく、学校の組織的な対応や安全管理が実際に機能していたのかも、重要な検証事項となる。
被害女児の保護者は、いじめ行為の再発を防ぐため、いじめが発覚した直後から、学校に対し、法令に基づく組織対応と被害女児の安全確保を求めてきた。
これに対し、岡部温樹校長をはじめとする学校管理職は、保護者会や回答書などを通じて、次のような対応を繰り返し説明してきた。
- 見守り体制を強化する
- 複数の教職員で対応する
- 教職員間の情報共有を徹底する
- 被害女児の安全を最優先にする
- トラブルがあった場合には保護者へ連絡する
しかし、学校側の説明とは裏腹に、現場では次のような事態が相次いでいた。
- 危険性を十分に検討した形跡のない座席配置
- 継続的ないじめ行為の見落とし
- 見守り担当職員が不在となる時間帯の発生
- 被害発生後の保護者連絡の遅延
- 見守り中に確認された事実の記録漏れ
- 岡部温樹校長の回答書と面談での説明の不一致
本稿では、学校が講じたと説明する「見守り体制」が、実際にはどのように運用されていたのかを、学校作成文書、岡部温樹校長の回答書、教育委員会定例会の会議録、面談記録などをもとに検証する。
危険性を十分に検討した形跡のない席替え
2025年9月22日に開催された臨時学級懇談会において、学校側は、学級内で暴言、暴力、授業の不成立、登校への不安などが生じていることを保護者に説明した。
その対策として、学校側は次のような方針を示している。
- 学習相談支援員を教室へ配置する
- 担任以外の教職員も学級運営に関与する
- 児童間のトラブルには学年主任や生徒指導係も対応する
- 必要に応じて家庭へ連絡する
ところが、その翌月に行われた席替えで、学校は、被害女児を加害児童Aの真後ろの席に配置した。
【10月の席替え後の位置関係】
当時、学校は、学級内で暴言や暴力が繰り返されていることを、すでに把握していた。
そのような状況で、被害女児を加害児童Aの直後の席へ配置するのであれば、少なくとも次の点について、事前に具体的な検討が必要だったと考えられる。
- 両児童のそれまでの関係
- 加害児童Aによる過去の問題行動
- 背後から接触できる座席配置の危険性
- 担任や支援員が確認しやすい位置であるか
- 問題が発生した場合の即時対応方法
席替えについての岡部温樹校長の回答は、以下のような内容であった。
保護者の質問と岡部温樹校長の回答(2026年4月10日)
【質問】令和7年9月22日の臨時学級懇談会において、学級内の暴力・暴言・登校渋りを組織として把握していながら、なぜ同年10月の席替えにおいて、暴力の主因となっていた加害児童Aの直後席に被害女児を配置したのか。その判断を下した責任者名と、安全面での検討経緯を具体的に説明されたい。
【回答】各クラスの席替えについては、各担任が学級の状況や児童の関係を踏まえ、教育的な観点から配置を検討し実施しています。当時の加害児童Aと被害女児の関係については問題ないととらえており、学級の状況を踏まえて判断したものです。
校長の回答は、安全面の検討経緯や、誰が座席配置を決定したのかについて、具体的な説明は示されず、また具体的な教育的な観点についても説明がない。後に、保護者が被害女児に当時の席替えのことをヒアリングすると、「席はくじ引き」「男女交互がルール」ということが確認されている。
席替え後に生じた「ターゲットの移行」
被害女児の説明によれば、この席替えを境に、それまで学級内の複数の児童へ向けられていた攻撃的な行為が、被害女児へ集中的に向けられるようになったとされている。
本記事では、この変化を「ターゲットの移行」と表現する。
被害女児は、席替え後の約3週間にわたり、次のような行為を受けたと訴えている。
- 足をつかまれる
- 身体への接触を繰り返される
- 嫌がる行為を強要される
- 水をかけられる
- 文鎮を投げつけられる
- 威迫される
被害女児の説明では、これらの行為は、ほぼ毎日のように繰り返されていた。
つまり、学級内に分散していた攻撃的な行動が、学校の行った座席配置を境として、被害女児へ集中的に向けられる状態へと変化したことになる。
学校が学級内の暴力や暴言を事前に把握していた以上、席替え後に被害が特定の児童へ集中した経過と、座席配置との関係は、第三者委員会で検証されるべき重要な論点である。
複数の職員が配置されながら、約3週間の被害を把握できなかった
当時、教室には、担任に加えて学習相談支援員が配置されていた。それにもかかわらず、被害女児に対してほぼ毎日のように行われていたとされる一連の行為について、学校が事前に把握していたことを示す説明や記録は、現在まで確認できていない。
また、文鎮を投げつけられた被害女児が泣く状況に至るまで、学校から保護者への連絡は一度もなかった。最終的には、被害女児本人から事情を聞いた保護者が学校へ報告したことで、約3週間にわたる被害が学校側へ伝えられることとなった。
被害を報告した後も、学校側から、
- これらの行為をすでに把握していた
- 担任や支援員が目撃していた
- 学校内で記録・共有していた
といった説明はなかった。
この経過からみれば、学校が保護者に説明していた「複数による見守り」は、少なくとも被害の早期発見という点では機能していなかったと考えられる。
臨時学級懇談会の4日後、教育委員会には何が報告されていたのか
この時期、学校と教育委員会が、学校内で生じていた深刻な状況をどのように認識していたのかを確認する上で重要なのが、2025年9月26日に開催された御代田町教育委員会定例会の会議録である。
この定例会は、学校が保護者を対象に臨時学級懇談会を開催した9月22日から、わずか4日後に開かれている。9月22日の臨時学級懇談会は、学校内で暴言・暴力、授業の不成立、登校への不安、担任教諭の離脱などが生じていたことを受けて開催されたものである。
ところが、9月26日の教育委員会定例会では、山口教育長職務代理が、関係者から「だいぶ大変な状況」だと聞いているものの、当日の資料だけでは実態が分かりづらいとして、教育委員会側に説明を求めている。この発言からは、臨時学級懇談会が開催されるほど深刻な状況でありながら、その実態が教育委員会の資料には十分に示されていなかった可能性がうかがえる。
これに対し、教育委員会側からは、学校内で生じていた状況について、児童が自己主張を強める時期であることや、担任が交代したことを背景に、新しい担任がどのような人物なのかを試していることなどが説明された。
また、新しい担任については、
「子どもたちに注意するという姿勢が不足していたと伺いました」
と説明されている。
さらに、騒いでしまう児童については、
「先生に気にかけてもらいたいという思いから騒いでしまう子どもが一定数いる」
と説明され、支援員などの教職員が適宜教室へ入り、複数の教職員によって見守っていく方針が示された。
武重指導主事は、この説明に続けて、
「先日の保護者懇談会においても、学校長からこうした状況をお伝えしています」
と述べている。
つまり教育委員会は、9月22日の臨時学級懇談会で学校が保護者へ説明した状況を前提として、9月26日の定例会でこの問題を扱っていたことになる。
それにもかかわらず、定例会では、学校内で生じていた状況が主として、
- 児童の発達段階に伴う自己主張
- 新しい担任を試す行動
- 担任に気にかけてもらうために騒ぐ行動
- 新担任の注意する姿勢の不足
という枠組みで説明されていた。
これらの説明が、個々の児童の行動を理解する一つの視点となり得ることは否定できない。しかし、すでに暴言・暴力、危険行為、授業の不成立、登校不安、担任教諭の離脱が生じ、臨時学級懇談会まで開催されていた状況である。
その4日後の定例会であれば、児童の発達段階や担任との関係だけでなく、少なくとも次の点が確認される必要があった。
- どのような暴言・暴力が、どの程度発生していたのか
- 被害を受けている児童がいたのか
- 危険行為について、学校がどのような安全対策を講じていたのか
- 学校いじめ対策組織が開催されていたのか
- 臨時学級懇談会で保護者に説明した内容が、教育委員会へどこまで報告されていたのか
臨時学級懇談会からわずか4日後でありながら、教育委員会の資料では実態が分かりづらく、説明も児童の発達段階や担任との関係を中心とするものであった。
学校から教育委員会へ、深刻な状況がどこまで具体的に報告されていたのか。また、教育委員会が暴力や被害の実態を確認せず、「自己主張」「担任を試している」といった説明を受け入れたことで、危険性が過小評価されたのではないか。
この点についても、第三者委員会による検証が必要である。
「見守り強化」は何を意味していたのか――人員配置、危険判断、記録、検証の実態
学校側は、いじめや他害行為が発生するたびに、保護者に対して「見守り体制を強化する」と説明してきた。
【実効的な見守りに必要な要素】
- 過去の加害行為や児童間の関係に基づく危険性の評価
- 注視すべき児童、行動、場所、時間帯の選定
- 見守り担当者と役割分担の明確化
- 担当者の移動時や不在時に備えた代替体制
- インシデントやヒヤリハットの判断基準
- 毎日の記録と教職員間の情報共有
- 発生した事案を踏まえた原因分析と再発防止策の見直し
2026年6月29日の面談では、保護者が、各段階における実際の人員配置だけでなく、見守りの判断基準、情報共有、記録、見直しがどのように行われていたのかについても、岡部温樹校長へ説明を求めた。
その結果、学校が繰り返してきた「見守り強化」には、人員配置の変更、同じ人数のまま注視対象を変える対応、関係児童の別室対応など、性質の異なる措置が含まれていたことが確認された。
一方で、それぞれの措置について、どのような危険評価に基づいて決定され、見守りによって得られた情報がどのように記録・共有され、その後の対策へ反映されたのかといった組織的な対応の具体的な事項は、明確になっていない。
第1段階 2025年9月22日・臨時学級懇談会後
学校側の説明(ソース)
- 学習相談支援員を教室へ配置する
- 担任以外の教職員も学級運営に関与する
- 複数の教職員で学級を見守る
- 必要に応じて家庭へ連絡する
【実際の人員配置】
それまで学習相談支援員は、必要に応じて教室を巡回していたが、学級内の状況が深刻化したことを受け、9月以降は教室へ継続的に配置する運用へ変更したと、岡部温樹校長は説明している。
- 担任 1人
- 学習相談支援員 1人
合計2人体制であったことが確認された。
9月時点で行われた実質的な変更は、学習相談支援員の関わりを、巡回的なものから教室への継続配置へ変更したことであった。
【実効性の検証点】
この段階では、支援員を継続配置したこと自体だけでなく、次の点が問われる。
- 誰のどのような行動を重点的に注視するよう指示していたのか
- 暴言、暴力、威迫、危険行為をどの基準で記録していたのか
- 担任と支援員が毎日どのように情報交換していたのか
- 確認されたヒヤリハットを管理職へ報告し、対策へ反映していたのか
【その後に確認された事実】
- 10月の席替えで、被害女児を加害児童Aの真後ろへ配置
- 席替え後の約3週間、継続的な加害行為を学校が把握できず
- 被害女児本人から話を聞いた保護者が、学校へ被害を報告
担任と支援員による2人体制が取られていたにもかかわらず、約3週間にわたる被害を一度も把握できなかったことになる。
第2段階 2025年11月21日・学校作成文書
学校側の説明(ソース)
- 教頭や関係職員による見守りを行う
- 複数の教職員によって見守る
- 関係児童との接触を防止する
- トラブルが発生した場合には、下校前に保護者へ連絡する
【実際の人員配置】
保護者が、11月のいじめ発覚後に見守り体制が具体的にどのように強化されたのかを確認したところ、岡部温樹校長は、
「同じ体制ですけれども」
と回答した。
- 担任 1人
- 学習相談支援員 1人
人員配置は9月時点と同じ2人体制のままであり、見守り要員の増員は行われていなかった。
加害児童Aに対しては別室対応が行われたが、これは加害児童Aを教室から離す措置であり、教室内の見守り人員を増やしたという意味での「見守り強化」ではない。
【実効性の検証点】
人員配置が変わらなかったことだけでなく、いじめ発覚後に見守り方法がどのように見直されたのかが重要である。
- 注視すべき児童や行動を再選定したのか
- 接触防止策を現場の全教職員へ具体的に共有したのか
- トラブルやヒヤリハットの報告基準を定めたのか
- 下校前の保護者連絡を誰の責任で実施するか決めたのか
- 見守りの結果を毎日検証する仕組みを設けたのか
【その後に確認された事実】
- 12月、加害児童Bによる鉛筆の損壊・威迫事案が発生
- 保護者への連絡は下校前には行われず、夕方まで遅延
- 保護者が求めた事実関係の再調査は行われなかった
第3段階 2025年12月・加害児童Bによる事案後
学校側の説明
加害児童Bによる鉛筆の損壊・威迫事案後、岡部温樹校長は、事実関係の再調査よりも、学級の支援体制を厚くすることを優先したと説明している。
【実際の変更内容】
面談で具体的な変更内容を確認すると、職員数自体は増えていなかった。
- 担任 1人
- 学習相談支援員 1人
人員配置は引き続き2人体制であった。
変更されたのは人数ではなく、学級全体を対象としていた見守りから、被害女児を重点的に見守る運用へ移した点である。
したがって、この段階での「支援体制を厚くした」という説明は、人員を増やしたという意味ではなく、同じ2人の体制の中で、被害女児への注意の比重を高めたということになる。
また、加害児童Bと被害女児の座席を離すなど、接触を避けるための対応も行われたと説明されている。
【実効性の検証点】
被害女児を重点的に見守る運用へ変更したのであれば、少なくとも次の点が具体化されている必要がある。
- 加害児童Bのどの行動を危険な兆候として注視するのか
- 被害女児との接近や威迫をどの段階で制止するのか
- 物品損壊やにらみつけなどをヒヤリハットとして扱うのか
- 毎日の見守り結果を誰が集約し、対策を見直すのか
しかし、こうした判断基準や情報共有、見直しの手順がどのように定められていたのかは明確になっていない。
第4段階 2025年12月19日・臨時保護者会後
学校側の説明・表明(ソース)
- ガイドラインに沿った対応が不十分だったことを認め、謝罪する
- 校長の判断や、学校の組織的対応に不備があったことを認める
- 今後はいじめ等を含む事案に、学校として組織的に対応する
- 複数の職員による指導・見守りを継続する
【実際の人員配置】
保護者が、12月19日の臨時保護者会後に人員配置がどのように変わったのかを確認したところ、12月の事案発生時から人数は変わっていなかったことが確認された。
- 担任 1人
- 学習相談支援員 1人
見守り体制は、引き続き2人体制であった。
「組織的対応」について、岡部温樹校長は、担任一人に抱え込ませず、生徒指導担当などの職員も関与するという趣旨の説明をした。
しかし、教室内の常時の人員配置が増えたわけではなく、見守り体制そのものは従前の2人体制が継続されていた。
【実効性の検証点】
「組織的対応」を実効的なものにするには、人数だけでなく、日々の見守りで得られた情報を組織へ集約し、対策を更新する仕組みが必要である。
- 担任と支援員が確認した事実を毎日共有していたのか
- 生徒指導担当や管理職が情報を集約していたのか
- ヒヤリハットを学校いじめ対策組織で検討していたのか
- 検討結果を座席配置、接触防止、職員配置へ反映していたのか
【その後に確認された事実】
- 2026年3月4日、被害女児が腹部を複数回殴打され、蹴り上げられる事案が発生
- 事案発生時、見守り担当職員は教室内に不在
- 教室内には担任のみがいた
- 担任は暴行行為にその場で気づかなかった
- 保護者への電話連絡は18時30分過ぎまで行われなかった
第5段階 2026年3月4日の暴行発生時
【名目上の人員配置】
3月4日の暴行発生前も、学校側の説明上は、
- 担任 1人
- 学習相談支援員などの見守り担当職員 1人
による2人体制が継続されていた。
【事案発生時の実際】
暴行が発生した時間帯には、見守り担当職員が移動中であり、教室内には担任1人しかいなかった。つまり、学校側が説明していた2人体制は、すべての時間帯で切れ目なく維持されていたわけではなく、教職員の移動などによって見守りの空白が生じていた。その空白時間に、加害児童Bが被害女児へ接近し、腹部への複数回の殴打・蹴り上げが行われた。担任は暴行に気づかず、被害女児が泣いていることに気づいた別の児童が担任へ知らせたことで、事態が発覚している。
【実効性の検証点】
この段階では、単に2人目の職員が不在だったことだけでなく、見守りの空白を事前に予測し、代替措置を用意していたかが問われます。
また、岡部温樹校長は4月10日付回答書において、12月15日の事案以降、関係児童同士の距離を確保するために席を離すなど、接触を避けるための配慮を継続していたと説明しています。
それにもかかわらず、3月4日には、加害児童Bが被害女児へ接近し、腹部への複数回の殴打・蹴り上げに至りました。
したがって、この事案では、見守り担当職員の不在だけでなく、学校側が実施していたと説明する距離確保・接触防止策が、なぜ暴行を防止できなかったのかも検証する必要があります。
- 移動時間に見守りが途切れることを把握していたのか
- 見守り担当者が不在となる際の代替要員や引継ぎ手順があったのか
- 加害児童Bと被害女児の距離を、授業中や移動時にも確保する具体的な役割分担があったのか
- 座席を離す以外に、接近や接触を防止する措置を定めていたのか
- 加害児童Bが被害女児へ接近した段階で、誰がどのように制止することになっていたのか
- 過去の威迫・物品損壊を踏まえて、危険性を再評価していたのか
- 距離確保・接触防止策が実際に機能しているか、日常的に検証していたのか
第6段階 2026年3月4日の暴行後
【暴行後の増員】
3月4日の暴行後、学校は従来の2人体制に職員をさらに1人加えた。
- 担任 1人
- 学習相談支援員などの見守り担当職員 1人
- 追加の教職員 1人
見守り体制は、合計3人体制へ変更された。
これは、人員配置という意味で、9月以降初めて確認できる明確な増員である。
ただし、この3人体制は、3月4日の暴行を未然に防止するために講じられていたものではなく、暴行が発生した後に追加された措置である。
【実効性の検証点】
増員後には、暴行発生までの見守りのどこに問題があったのかを検証し、その結果を新たな体制へ反映する必要がある。
- 見守りの空白が生じた原因を分析したのか
- 加害児童Bの危険性評価を見直したのか
- 3人それぞれの担当場所と役割を明確にしたのか
- 毎日の記録と情報共有の方法を変更したのか
- 新体制の効果を継続的に評価したのか
第7段階 2026年4月・新学期以降
【新学期の人員配置】
3月4日の暴行後、学校は一時的に3人体制へ増員した。しかし、新学期が始まった4月以降は、再び、
- 担任 1人
- 学習相談支援員などの見守り担当職員 1人
による2人体制へ戻っていたことが、6月29日の面談で確認された。
つまり、3月4日の暴行を受けて行われた1人の増員は、新年度には継続されていなかった。学校は、保護者に対しても変更について報告していなかった。
学校側は4月2日の面談において、新年度も被害女児の安全確保を最優先とし、見守り内容を記録・共有する方針を示していたが、人員配置については、暴行後の3人体制から、再び従来と同じ2人体制へ縮小されていたことになる。
【実効性の検証点】
新学期から2人体制へ戻すのであれば、3人体制を継続しなくても安全を確保できると判断した根拠が必要である。
- 3人体制の効果をどのように評価したのか
- 減員前に危険性を再評価したのか
- 注視対象や見守り方法を新年度の状況に合わせて更新したのか
- 見守り記録を毎日確認し、必要に応じて再増員する基準があったのか
【その後に確認された事実】
- 4月22日、グラウンドで加害児童Bが被害女児をにらみつけ、見守り担当者が現場で注意
- この出来事は見守り報告書に記載されていなかった
- 学校から保護者への報告も行われなかった
- 5月1日、被害女児本人からの申告によって、保護者が初めて把握
新学期から2人体制へ戻した判断について、学校がどのような危険評価を行い、誰が決定し、3人体制を継続しなくても安全を確保できると判断したのかは、明らかにされていない。
「強化」という説明と、実際の変更内容
【人員配置の推移】
- 2025年9月:支援員を巡回から継続配置へ変更し、担任との2人体制
- 2025年11月:人員配置は9月と同じ2人体制
- 2025年12月:2人体制のまま、被害女児を重点的に見る運用へ変更
- 12月19日後:人員配置は引き続き2人体制
- 2026年3月4日:見守り担当者の移動によって空白が生じ、事件発生時は実質的に担任のみ
- 3月4日後:職員を1人増員し、3人体制へ変更
- 新学期以降:追加した職員の配置は継続されず、再び2人体制へ縮小
【POINT】
「見守り強化」は、単に教職員を増やすことではない。実効的な見守りには、
- 危険性を事前に評価する
- 注視すべき児童や行動を明確にする
- インシデントやヒヤリハットを記録する
- 毎日、関係教職員で情報を共有する
- 見落としや新たな事案があれば原因を検証する
- 検証結果を配置や見守り方法の改善へ反映する
という継続的な仕組みが必要である。
本件では、「見守り強化」という説明が繰り返された一方、各段階でどのような危険評価を行い、何を注視し、確認した情報をどのように共有し、その結果を次の対策へ反映したのかについて、現時点で開示され、保護者が確認できる資料からは、その経過を示す記録を確認できていない。
見守り体制を評価するためには、「強化した」という言葉だけではなく、誰を、どの時間帯に、どこへ配置し、空白時間をどのように防ぎ、どの児童のどのような行動を確認するよう指示していたのかを明らかにする必要がある。
本件では、名目上は複数配置とされながら、実際には見守りの空白が生じ、その時間帯に暴行が発生した。さらに、新学期には3人体制から2人体制へ戻された後、見守り担当者が確認して注意した出来事が記録されないという問題も生じている。
人数を配置することと、その体制が被害を防止するよう実効的に運用されることは、同じではない。
見守りの空白が生じた3月4日の受傷事案

見守り体制の問題が最も深刻な形で現れたのが、2026年3月4日に発生した受傷事案である。
前年12月、加害児童Bによる鉛筆の損壊・威迫事案が発生した際、保護者は学校に対し、詳細な事実確認と再発防止を求めていた。

これに対し、岡部温樹校長は、再調査を行うよりも、教室への職員配置によって支援体制を厚くすることを優先する旨を文書で回答している。
保護者の質問と岡部温樹校長の回答(2026年4月10日)
【質問】2025年12月15日に発生した鉛筆破損事案:再度の事実確認と学校記録(指導・再発防止)を要請
【回答】再確認は行っておりません。それまでの聞き取りで事実関係を把握しており、児童への再度の聞き取りよりも、教室への職員の配置により学級の支援体制を厚くすることを優先すべきと判断したためです。
ところが、その「支援体制を厚くする」と説明された環境下で、3月4日、加害児童Bが被害女児の腹部を複数回殴打し、蹴り上げる事案が発生した。
【3月4日の教室内の状況】
学校側の回答によれば、事件発生時、見守り担当職員は移動中であり、教室内には担任のみがいた。さらに、担任はその場で暴行に気づいていない。被害女児が泣いていることに気づいた別の児童が、担任へ知らせたことで事態が発覚した。
前年12月に同じ加害児童Bによる威迫や物品損壊があり、保護者から再発防止を求められていたにもかかわらず、学校がどのような具体的な安全確保措置を講じていたのかという点である。
また、事件発生後には、次の対応上の問題も確認されている。
- 被害女児を直ちに保健室へ移動させ、傷病の程度を確認する措置が行われなかった
- 保護者への連絡が下校前には行われなかった
- 電話連絡は18時30分過ぎまで遅れた
- 学校側が事案の重大性をどのように評価したのかが、明確に説明されていない
学校は、それ以前から「トラブル発生時には下校前に保護者へ連絡する」と説明していた。それにもかかわらず、身体への複数回の暴行が発生した事案においても、同じ連絡遅延が繰り返されたのである。
保護者の質問と岡部温樹校長の回答(2026年4月10日)
【質問】本件発生時の学校の初動対応について、保健室対応および保護者への即時連絡が行われなかった理由を明らかにすること。
【回答】当日は、担任が状況を確認し、その時点で把握できた情報を基に、校内で必要な報告を行いました。担任からけががないとの報告を受けた管理職として、保健室に連れていくことやすぐに保護者に連絡をすることを適切に指示しなかったことが大きな反省点です。
【質問】腹部を殴打・蹴られ被害女児が泣いている状況を担任が把握した際、なぜ直ちに保健室へ搬送し、身体状況の確認を行わなかったのか。
【回答】担任は、被害女児の様子を確認し、本人の訴えや表情などからその時点で必要な対応を判断したものです。今後は、児童の安全確保をより確実にするため、速やかに保健室での確認を行うなど、対応の改善に努めてまいります。
【組織的な初動判断の基準は定められていたのか】
2つの回答からは、担任が被害女児の訴えや表情を確認して「けががない」と判断し、その報告を受けた管理職も、保健室対応や保護者への即時連絡を指示しなかったという経過がうかがえる。
しかし、本件では、それ以前から、被害女児の安全を最優先とすること、複数の教職員で見守ること、トラブル発生時には下校前に保護者へ連絡することが説明されていた。また、12月15日の事案以降は、被害女児を重点的に見守り、加害児童Bとの距離を確保し、接触を避けるための配慮を継続していたと、学校側自身が説明している。
そのような組織的な見守り強化を前提とするならば、身体への暴力が疑われ、児童が泣いている場面で、
- どのような訴えや状況があれば保健室で確認するのか
- 外見上のけががなくても、腹部への殴打や蹴り上げを受けた場合は保健室対応とするのか
- 誰が負傷の有無を判断するのか
- どの段階で管理職へ報告するのか
- どのような事案を保護者への即時連絡の対象とするのか
といった初動対応の判断基準が、あらかじめ明確にされ、関係教職員の間で共有されている必要がある。
しかし、岡部温樹校長の回答では、一方で担任の訴えや表情に基づく判断を説明し、他方で管理職が適切な指示をしなかったことを反省点としており、学校としてどのような共通基準に基づいて判断したのかは示されていない。
さらに、「今後は速やかに保健室での確認を行う」としていることからも、当時は、身体への暴力が疑われる場面で保健室対応へ切り替える明確な基準や運用が、十分に機能していなかった可能性がある。
見守り体制をめぐって変化した岡部温樹校長の説明
3月4日の受傷事案後、保護者は、なぜ見守り担当者が教室内にいなかったのか、なぜ担任が暴行に気づかなかったのかについて説明を求めた。
しかし、岡部温樹校長の回答書と面談での説明には、複数の不整合が確認される。
「支援体制を厚くした」という回答と「人員不足」の説明
岡部温樹校長は4月10日付の回答書において、12月事案の再調査を行わなかった理由について、職員を配置して学級の支援体制を厚くすることを優先したと説明した。
一方、4月2日および6月29日の面談で、3月4日に見守り担当者が教室内にいなかった理由を問われると、次のような趣旨の説明をしている。
- 支援員の勤務時間が途中で終了する
- 教職員の移動時間には、必ず2人を配置することが難しい
- 見守りに空白となる時間が生じた
- 人員が足りない
「職員配置によって支援体制を厚くした」という文書上の説明と、実際には見守りの空白が生じていたという面談での説明は、そのままでは両立しない。
少なくとも、学校側には次の点を具体的に説明する必要がある。
- 誰を、どの時間帯に配置していたのか
- 空白時間が生じることを事前に把握していたのか
- 空白時間中の代替措置を定めていたのか
- 何をもって「支援体制を厚くした」と評価したのか
担任がいた位置をめぐる説明の変化
岡部温樹校長は、4月10日付回答書において、事件発生時には見守り職員が移動中であり、教室には担任のみがいたと説明している。
一方、4月2日の面談では、担任の位置や状況について、次のように説明した。
「担任は教室にはいたと思いますが、全てずっと見守っているというわけにはいかなかった」(2026年4月2日面談・17分47秒頃)
「担任は離れた場所にいたというふうに報告を受けていますけれども……」(同・26分17秒頃)
「近くにはいたという報告だけど、子どもたちから聞くといなかった……」(同・28分53秒頃)
同一の面談内で、担任について「離れた場所にいた」「近くにはいた」「児童から聞くといなかった」と説明が変化している。この説明からは、岡部温樹校長自身が、事件発生時の教室内の状況を正確に把握していたのかどうかも判然としない。
本来であれば、学校は事件発生後、関係教職員や児童から速やかに聞き取りを行い、少なくとも次の事実を確定させる必要がある。
- 担任が教室内のどこにいたのか
- 見守り担当職員がどこへ移動していたのか
- 暴行が行われた時間
- 暴行を目撃した児童
- 誰が最初に担任へ報告したのか
- 被害女児の状態を誰がどのように確認したのか
説明が変化する背景に、十分な事実確認や記録作成が行われていなかった可能性があるのであれば、それ自体が第三者委員会で検証すべき事項となる。
「加害児童Aとの関係に限った対策」とする説明
4月10日付回答書において、岡部温樹校長は、2025年11月に示した再発防止策について、被害女児と加害児童Aとの接触を防ぐために示したものであると説明している。
この説明に従えば、学校が約束した見守りや保護者連絡は、加害児童Aとの関係に限られ、加害児童Bには適用されないことになる。
しかし、6月29日の面談で、保護者が、
現場の教職員に対して、加害児童Aだけに限定した見守りであると明確に指示していたのか
と確認したところ、岡部温樹校長は、
「限定という言い方はしていない」
と回答した。
つまり、保護者向けの回答書では「加害児童Aとの関係における対策」と説明しながら、現場の教職員には、そのような限定指示を出していなかったことになる。
そうであれば、回答書における「加害児童Aに限定した対策だった」という説明は、当時の実際の運用方針ではなく、問題発生後に示された解釈である可能性がある。
見守り不全への質問に対し、事件後の別室対応を説明
2026年4月2日の面談において、保護者は岡部温樹校長に対し、2025年11月に見守りの徹底を約束したにもかかわらず、同年12月に加害児童Bによる鉛筆損壊・威迫事案が発生し、さらに2026年3月4日には腹部への複数回の殴打・蹴り上げが発生した理由を問いただした。
問われていたのは、学校が見守り体制の強化を約束していたにもかかわらず、なぜ二度にわたる被害を未然に防ぐことができなかったのかという、安全管理と見守り不全の問題である。
これに対し、岡部温樹校長は、次のように回答した。
「あとは、あの、加害児童Bさんについても、教室ではない教育的な配慮のもとに、別室での対応ということも取らせていただきました」
(2026年4月2日面談・29分24秒頃)
しかし、これは3月4日の暴行が発生した後に講じられた措置についての説明である。
保護者が質問していたのは、暴行発生後にどのような措置を取ったのかではない。
見守り体制を強化したと説明していながら、なぜ暴行を未然に防ぐことができなかったのかという点であった。
保護者は直ちに、
「それは起こった後の話で、それが適切な対応だったかといったら不十分です」
と指摘している。
さらに同じ面談で、追加の被害を防げなかった責任を問われた際、岡部温樹校長は、
「加害児童Aさんについて隔離しました。で、加害児童Bさんについても隔離しました」
(同・44分06秒頃)
と、再び事件発生後の別室対応を説明した。
加害児童Aおよび加害児童Bに対して別室対応を実施したことは、被害発生後の措置としては一つの対応である。
しかし、それは、
見守りを強化していたにもかかわらず、なぜ加害児童Bによる暴行を防止できなかったのか
という質問への直接的な回答にはなっていない。
その後、岡部温樹校長は4月10日付回答書において、加害児童Bによる2025年12月の事案以降について、次のように回答している。
「関係児童同士の距離を確保するために席を離すなど、接触を避けるための配慮を継続して行ってきました。これは児童の安全確保を目的として実施してきたものです」
しかし、座席を離し、安全確保のための配慮を継続していたというのであれば、なぜ3月4日の暴行を防ぐことができなかったのか、事件発生時に具体的にどのような見守りが行われていたのかという疑問は残る。
4月2日の面談では事件後の別室対応を説明し、4月10日付回答書では事件前から座席配置などの配慮を継続していたと説明している。
しかし、いずれの説明からも、3月4日の暴行を防止できなかった具体的な原因や、見守り体制のどこに問題があったのかは明らかになっていない。
問われているのは、事件後に何らかの対応を行ったかどうかではない。
学校が事前に把握していた危険性に対し、どのような見守り計画を立て、誰を配置し、なぜその体制が暴行を防止できなかったのかという、学校の安全管理上の問題である。
校長室での給食同席が被害女児へ与えた影響
見守り体制の問題に加え、被害女児への心理的配慮という点でも、検証すべき出来事がある。他害行為を繰り返した加害児童Aは、教室から離れ、校長室などで指導を受ける別室対応となっていた。その期間中、岡部温樹校長は、同じ学級の複数の児童を校長室へ招き、加害児童Aと一緒に給食を食べさせていた。
【校長室での給食同席後に生じた経過】
校長室で給食を共にした児童が教室へ戻った後、
- 加害児童Aと校長室で給食を食べた
- 加害児童Aが近く教室へ戻ってくるらしい
といった情報が学級内に広がった。
被害女児は、それ以前の加害行為によって強い恐怖を抱いていた。そのため、加害児童Aが教室へ戻ってくる可能性を聞いたことで、不安や身体症状が強まり、学校に通えない日が増え、何日も欠席することもあった。
この件において、保護者には担任から「加害児童が教室へ戻ってくるという噂は事実と異なるが、被害女児が不安がっていた。」と電話連絡を受けている。その連絡を受け、保護者は、岡部温樹校長に配慮不足である旨のクレームのメールを送ったが、校長からは何の返信もなかった。
本件では、加害児童への配慮が優先される一方で、被害女児への情報提供や心理的安全への配慮が十分だったのかが問われる。
繰り返される説明の不一致は、何を示しているのか
本稿で確認したとおり、御代田南小学校では、保護者に対して「見守り体制の強化」「組織的対応」「情報共有の徹底」が繰り返し説明されてきた。
しかし、その後の現場では、次の問題が相次いでいる。
- 学級内の危険性を十分に考慮した形跡のない席替え
- 席替え後に生じた、被害女児への「ターゲットの移行」
- 約3週間にわたる継続的ないじめ行為の見落とし
- 見守り担当者が教室内にいない時間帯の発生
- 担任が暴行に気づかなかったこと
- 被害発生後の保護者連絡の遅延
- 見守り中に確認した事実の記録漏れ
- 回答書と面談での説明の不一致
- 教育委員会定例会における学級状況の過小評価
- 加害児童ごとに異なる対応方針の不明確さ
これらを、個々の教職員による偶発的な見落としとして片付けることはできない。学校組織のトップである岡部温樹校長が、危険性をどのように評価し、誰にどのような役割を与え、何を記録・共有させ、問題発生時にどのような対応を取るよう具体的に指示していたのかが問われている。
仮に、学校として明確な方針と役割分担が定められ、組織的な情報共有が行われていたのであれば、保護者からの基本的な質問に対して、回答書と口頭説明の内容がこれほど大きく変化するとは考えにくい。
反対に、岡部温樹校長自身が、現場の運用や事件発生時の状況を正確に把握できていなかったのであれば、学校いじめ対策組織および管理職による組織管理が、実際に機能していたのかという、より根本的な問題が生じる。また、深刻な学級状況を教育委員会定例会で「自己主張が出始める時期」「担任を試している」と説明していたことが、危険性の過小評価と対応の遅れにつながったのかについても、検証が必要である。
なぜ、学校側が「適切に対応している」と説明し続ける一方で、現場では見落とし、記録漏れ、連絡遅延、説明の不一致が繰り返されたのだろうか。
次回【第3回】では、学校いじめ対策組織が実際に開催されていたのか、重大事態の判断がどのような手続で行われたのか、公文書開示請求によって何が明らかになったのかを、客観的な記録をもとに検証する。
本記事に登場する主な日付と資料
本記事では、学校側の説明や対応の変化を確認するため、複数の日付の文書、保護者会、面談記録を取り上げている。それぞれの日付が示す出来事は、次のとおりである。
2025年9月22日 臨時学級懇談会
学校内で、暴言・暴力、授業の不成立、登校への不安、担任教諭の離脱などが生じていたことを受けて、学校が保護者を対象に開催した臨時の学級懇談会である。この懇談会で学校側は、学習相談支援員の配置、複数の教職員による見守り、児童間のトラブルへの組織的な対応などを説明した。
2025年11月21日 学校から保護者へ交付された文書
11月に発覚したいじめについて、学校が被害女児の保護者へ示した再発防止策などを記載した、公印付きの文書である。この文書では、教頭や関係職員による見守り、関係児童との接触防止、トラブルが発生した場合の下校前の保護者連絡などが示された。
2025年12月19日 臨時保護者会
学級内のいじめや学校の対応をめぐり、学校が開催した臨時の保護者会である。学校側は、それまでの対応について説明・謝罪し、学校いじめ対策組織による対応や、複数の職員による見守りを継続する方針を示した。
2026年3月4日 腹部への複数回の殴打・蹴り上げ事案
加害児童Bが、被害女児の腹部を複数回殴打し、蹴り上げたとされる事案が発生した日である。事件発生時、複数配置されると説明されていた見守り担当職員は教室内におらず、教室内にいた担任も、暴行行為にその場で気づかなかった。
2026年4月2日 学校・教育委員会との面談
3月4日の受傷事案を含む学校側の対応について、被害女児の保護者が、岡部温樹校長、学校管理職および御代田町教育委員会に説明を求めた面談である。
この面談では、主に次の点が確認・追及された。
- 見守り体制がありながら、なぜ暴行を防げなかったのか
- 事件発生時、担任や見守り担当職員はどこにいたのか
- 学校が説明していた複数配置が、実際に機能していたのか
- 被害発生後の救護や保護者連絡が遅れた理由
- 新年度における被害女児の安全確保と見守り体制
本記事で引用している岡部温樹校長の口頭発言の一部は、この4月2日の面談録音に基づくものである。
2026年4月10日 岡部温樹校長による回答書
被害女児の保護者が12月~翌年2月の期間中に複数回学校に提出し、期限を設けて回答を求めていた質問事項や重大事態に関する認定等について、学校側は期限を過ぎても回答せず、その後も長期間にわたり具体的な説明を示していなかった。この未回答の状態について、2026年4月2日に御代田町教育委員会が同席して行われた面談の場で、保護者が改めて回答と説明を求めた。その指摘を受けた後、岡部温樹校長が、保護者からの質問事項に対する回答を文書として示したのが、2026年4月10日である。
回答書には、主に次の内容が記載されている。
- 重大事態に該当するかについての岡部温樹校長の見解
- 席替えの判断理由
- 見守り体制や職員配置についての説明
- 12月の鉛筆損壊・威迫事案後に行ったとする対応
- 児童名を文書へ記載しない理由
- 学校側が回答を控えるとした事項
本記事では、この4月10日付回答書と、4月2日および6月29日の面談における岡部温樹校長の口頭説明を比較し、説明内容に不整合がないかを検証している。
2026年4月22日 グラウンドでの威迫的な行為
新年度の見守り体制のもと、グラウンドで加害児童Bが被害女児をにらみつけ、見守り担当者が注意したとされる日である。
しかし、この出来事は学校側の見守り報告書に記載されておらず、後に被害女児本人から保護者への申告によって明らかになった。
2026年6月29日 学校・教育委員会との再面談
被害女児の保護者が、岡部温樹校長および御代田町教育委員会に対し、これまでの回答や見守り体制の運用について、改めて説明を求めた面談である。
この面談では、主に次の点が確認された。
- 2025年11月に示された見守り対策は、加害児童Aだけを対象としていたのか
- 現場の教職員に、対象児童を限定する具体的な指示を出していたのか
- 見守り体制に空白時間が生じた理由
- 職員配置や役割分担を、岡部温樹校長がどのように管理していたのか
- 回答書と実際の運用との間に生じている不一致
岡部温樹校長が「限定という言い方はしていない」と回答した発言は、この6月29日の面談におけるものである。
※:日付は、学校作成文書、回答書、メール、面談録音その他の資料に基づいている。※1:本記事では、学校・教育委員会が作成した文書、保護者とのメール、面談録音、被害女児から保護者への申告などをもとに、確認できた事実、学校側の説明、保護者側の主張および本記事による評価を、可能な限り区別して記載する。※2:学校側の回答は、回答書または録音記録に基づいている。発言については、趣旨を変えない範囲で不要な言いよどみ等を整理している箇所がある。※3:「加害児童A」「加害児童B」は、本記事上の便宜的な表記であり、児童個人を特定するものではない。



















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